氷壁初登攀の成功から一転して骨折、墜落、宙づり、パートナーによるザイルの切断という絶望的な状況に陥ったクライマーは、いかにして「死のクレバス」から生還したのか。孤独と不安、パートナーへの猜疑、死への恐怖など、極限状況における人間内部の葛藤と傷ついた肉体との格闘を自ら記した、迫真の山岳ノンフィクション文学。