ロールズ『正義論』をわかりやすく紹介し、ロックやJ.S.ミルの政治哲学とからめながら、国家、民族、文化が錯綜する現代社会の自由と寛容を考察する。不平等問題、宗教、同性愛、任娠中絶などの具体例を挙げて個よりも共同体を優先する共同体主義と対決し、さまざまな個人の自由の成立を論じる「多様性の倫理学」の試み。