特異なキリスト者にして大ベストセラー『死線を越えて』の著者として知られる賀川豊彦(一八八八‐一九六〇)は、献身的な社会活動家として労働運動、農民運動、生協運動、平和運動の先駆者でもあった。きわめて多面におよぶが今や忘れられつつある彼の思想と行動を、狭い枠から解放し近代思想史上に位置付けた画期的評伝。