脱サラの切手商の小柳と「貴重文化紙くず」商の綿貫は、あるコレクターが残した「幻の映画フィルム」を手に入れる。謎を追ううちに糸は旧満洲、さらに日露関係を揺るがした明治の大津事件へと繋がるが…。架空の国の切手を偽造する切手作り師、戦前の左翼活動家が作った思想春本なども絡んで展開する、"紙くず"の魔力に魅入られた人間たちが歴史の迷宮に隠された「幻の映画フィルム」の真実に迫る痛快娯楽長篇。