十七歳の四月、早稲田の古本屋で西脇順三郎の詩集を手にし、大塚から疾走しつづけて五十七年。存在そのものが「詩人」としかいいようのない、生き方において比類ない詩人が、晩年、自らの生涯を駆けめぐるように綴ったスワン・ソング十三篇。それは新世紀まで生きつづけなければならないわれわれへの貴重な置手紙かもしれない。合掌。戦後最大の詩人の遺作。