百年近く生きたお祖母ちゃんの死とともに、その魂を受け継ぎ「救い主」と見なされた新しいギー兄さん。だが彼の癒しの業は人々から偽物と糾弾される。今は女性として生きる両性具有のサッチャンは彼を支え、その一部始終を書き綴って行く…。構想六年、一人の「救い主」の運命に託して人間の魂の問題を探る、著者が「締めくくりの小説」と呼ぶ長編三部作、遂にスタート。