これからの自分の人生のために、どうしても亡き父のことを知らなくてはならない-。壮吉は、父と親しかった人たちを訪ね、次第に父の仕事の真の意味に迫っていく。そんなある日、秀世が置き手紙を残して家を出てしまう。秀世を追って東京に来た壮吉は、はじめて秀世のつらい過去を知るのだった。開発と環境破壊の現実、日本の農業や漁業の将来、そして学校教育についての問題提起-著者からの熱いメッセージが随所にちりばめられた、心揺さぶる大作。