ヨーロッパ亡命中のチリ反政府派の映画監督ミゲル・リティンは、1985年、変装して戒厳令下の祖国に潜入、『チリに関する全記録』の撮影に成功した。スラム街や大統領府内の模様、武装ゲリラ幹部との地下会見、母や旧友との劇的な再会…。死の危険を遂にくぐりぬけるまでの奇跡の6週間が、ノーベル賞作家によって見事に記録された。