日本を“お笑い”で照らしつづけた不屈の女性大阪天神橋筋の喧騒のなかでたくましく育った吉本せいは、芸事好きな夫に嫁ぎ、やがて夫婦で寄席の経営に乗り出す。彼女は天性の「興行師」、芸能プロデューサーだった――。桂春團治、エンタツ・アチャコら伝説の芸人たちとの交流や、演芸界の覇権をめぐるライバル会社との激闘、戦争にも負けなった“お笑い”への情熱など、その波乱万丈の生涯に迫る。