八番目の勅撰集『新古今和歌集』が編まれた時代は、和歌の黄金期である。新たな歌風が一気に生み出され、優れた宮廷歌人が輩出した。未曾有の規模の千五百番歌合、上皇自ら行う勅撰集の撰歌、と前例のない熱気をみせながら、宮廷の政治と文化は後鳥羽院の磁力のもと、再編成されていく。後鳥羽院と藤原定家という二つの強烈な個性がぶつかりあい、日本文化の金字塔が打ち立てられていく時代の熱い息吹に迫る。