ここは、東京・自由が丘、『カフェ六分儀』。飾り棚に並ぶ"贈り物"は誰のものでもなく、誰のものでもある。気に入った物があれば持ち帰ることができるが、条件がひとつだけ。"贈り物"を受け取った人間は、それと同じくらい価値のある物を、替わりに飾り棚に残さなければならない。このカフェは待合室なのだ。ときには宛名のない"贈り物"が人と人とを繋ぐ-。香味豊かな一杯の珈琲のように、あなたに幸せなひとときをお届けする物語。