「あなたを愛するために、ここまで来たんだもの」
黒い海を越え、呪われた島にやってきた美しい少女、シュガーリア。今は滅びた死霊術師の忘れ形見である彼女が出会ったのは、大罪人の男、ヨクサルだった。彼は無数の罪をその身に刻み、背負う悪魔は、『孤独を力にかえる』という──。
「あんた、何様のつもりだ」
「わたしはシュガーリア。この世界で最後の……死霊術師の孫娘よ」
愛など知らない男と、愛しか知らない少女が出会った時、末路を迎えたはずの物語が動きはじめる。
水銀糖の少女の、命をかけた最後の恋は、滅びの運命に抗うことが出来るのか。