臓器移植や遺伝子操作の実現は、人類に新たな可能性をつくり出したのと同時に、いったい人間の生命とは何なのか、どこからどこまでが自己なのか、本当の自己とはどこにあるのか等々の新しい問題をも生み出した。いうまでもなく、近代科学や科学技術は、その誕生の時からキリスト教の存在が深くかかわっている。本書では、理性と信仰の問題、科学的認識と宗教的認識の問題、科学とキリスト教の間の対立と矛盾の問題などを追究・解説しながら、現代科学の在り方を模索する。