漢方の治療では、患者の陰陽、虚実、寒熱、表裏の八綱にもとづいて、たとえば「この患者は葛根湯の証である」とか、「麻黄湯の証である」という診断を下します。しかし、そもそもこの八綱とはいったい何なのでしょうか。本書では、西洋医学、東洋医学の双方に造詣の深い著者が、漢方にまつわる最大の疑問であり、かつ漢方の根幹をなす「証」の問題を現代科学の立場から解釈し、漢方薬がなぜ、どのように効くのか、ガンや老化を本当に阻止できるのかなどをわかりやすく解説します。西洋の医薬との対比により、漢方の特質がより鮮明になり、漢方薬に関する俗説を排する助けにもなるでしょう。