"幻の鳥"と呼ばれ、ニッポニア・ニッポンの学名をもつトキは、昭和のはじめに佐渡で発見されて以来、1度は絶滅寸前の悲運に遭うが、自然と人間のむごい仕打ちを嘆く人々の献身的な愛護活動により、かろうじて命をつなぐ。本書は長年の観察と踏査をもとに、トキと人間のかかわりの歴史・生態・葛藤を克明詳細に記した貴重な記録であり、民族学的考究の書とも言える。野鳥類学の権威、中西悟堂氏が、"トキの総合記念塔"と賞讃された名著。