日本神話は、世界各地のさまざまな文化を吸収して開花したといわれる。著者は、世界的視野から日本神話の比較分析を系統的に行ない、その源流に光を当てた。「イザナキ・イザナミ神話と中国の伝説」「日本と朝鮮の農耕起源神話」「天孫降臨神話とモンゴル神話」などの比較考察により、日本神話の中軸をなしているのは、王権神話であると指摘する。系統論を中心にすえて展開した画期的な日本神話の系譜。