古来、軍人として、また文人としても高く評価されてきた古代ローマの英雄カエサル。彼は形骸化した共和政から帝政への道を拓いた大政治家でもあった。ケルト人やゲルマン人と戦ったガリア遠征の赫々たる戦果をもとに、中央政界での勢力を拡大したが、「一人支配」体制の完成直前に暗殺される。その波乱万丈の生涯は、歴史的転換期に変革を進めた人物の悲劇を物語る。ローマ史の泰斗による必読の好著。