戦後日本の歩みに巨大な影響力を及ぼしてきた「アメリカ」。高度成長期のアメリカ依存の精神的構図を捉えた江藤淳の文芸評論『成熟と喪失』および一連の占領研究におけるその思想的道程の検証から「戦後日本とアメリカ」を問い直さんとする。原爆投下と無条件降伏をめぐる問題、占領下の新憲法制定経過など、戦後の原点となった事実を精細に論考した野心作。