香具山・畝傍山・耳成山の大和三山や飛島川に代表される大和の古山川。そこには「国のまほろば」と謳われ、古代史や日本神話の舞台となったこの地に生きた万葉びとの息吹を感じることができる。本書は「青山に日照る国原」に生まれ育ち、万葉研究に生涯を捧げた著者が、民俗学の視点から大和の風土をとらえ、万葉歌の世界を追究する古典文学紀行である。