月刊「ちゃぐりん」(家の光協会)の好評連載、『ロケット商会』の1話を、イラストいっぱいの単行本にしました。
こどもたちの前にあらわれる、あやしいロケット自動販売機のお話。小学生の日常を舞台にした親しみやすい物語なので、小学校中学年を中心に、楽しく読めます。
陸上のサニブラウン・アブデル・ハキーム選手もオススメ!
「かけっこの原点を思い出させてくれるようなワクワクするお話でした。
私は競技スポーツとして1位を取るためにこれからも努力していきますが、小さい子たちには、走る楽しさや夢や目標を持つ大切さを知ってもらえたらと思います。」
(お話の紹介)
4年生のアユムは、太っていて走るのがとにかく苦手。クラスでいちばん、いや、学年でいちばん、ダントツで足がおそい。
それなのに、運動会のクラス対抗リレーでは、選ばれた選手が走るんじゃなくて、クラス全員でリレーをすることになったんだ。
クラス対抗給食リレーなら、ヒーローになれるのになあ。
ふうー。深いためいきが出た。
そんなとき、アユムが公園に行ってみると、あやしい自動販売機が立っていた。
『ヘイ、ラッシャイ、ラッシャイ。
本日開店、ロケット自動販売機!』
テレビショッピングのおじさんみたいな声でしゃべっている。
まどにならんだ商品を見てみると、お茶やジュースじゃなくて、インチキっぽいものばかりが並んでいる。
その中に、アユムは「快足スプレー」というのを見つけて。
これって、スプレーをかけると、足が速くなるってこと……?