明治三十六年荷風二十四歳から明治四十年二十八歳まで四年間のアメリカ見聞記を二十四篇の小説に収める。渡航中の情景を描いた「船房夜話」、癩狂院に収容された日本人出稼ぎ労働者の無惨な話「牧場の道」など。異国の風物に対峙した荷風の孤独感、鋭い感性と批評精神溢れる新鮮な感慨は、閉塞した時代に憧憬と衝撃を与えた。『ふらんす物語』と併称される初期代表作。
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