ひとりの女性による、7200キロにおよぶ自転車大旅行は、ある風の強い、雨の日の大英博物館の中から誕生した。著者は博物館の売店で一冊の本にめぐりあう。110年前のヴィクトリア朝時代の女流作家アメリア・エドワーズが書いたナイル旅行記である。アメリアが見た風景をこの眼で確かめたい、アメリアが見ることのできなかったナイルの上流まで走ってみたい。こうして、愛車アガラ号の旅は始まった。