「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」という冒頭の一節から、潅頂巻の「一期遂にをはらせ給ひぬ」まで、『平家物語』を読みほぐしながら、聞こえてくるものに聴き入り、見えてくるものに目をとめ、私たち自身のゆれて定まらぬもの、常ならざるものに向きあった力作エッセイ。