戦時下というギリギリの生活環境にあっても、人々は逞しく生きていた。そこにはやはり恋があり、歌があり、食があり、性があり、日々の小さな喜びや悲しみがあった。多感な少年たちが経験した銃後の「生」と「性」。もうひとつの戦争の貌が、ここにある。傑作連作小説集。