〈この1年の間に1人の日本人科学者が命を落としました。
戸塚洋二博士(1942-2008.7.10)です。
戸塚さんこそ、ノーベル賞をもらわないわけにはゆかない人でした。
彼のボス、小柴昌俊氏に2002年にノーベル賞が出たのは、
1998年に小柴研の後継者である戸塚さんたちが「ニュートリノ振動の観測」に成功した、
20世紀最後最大の業績に対するノーベル賞授与の準備、布石と誰もが理解していまし た。〉
この文章は、伊東乾・東大洵教授が『日経ビジネスオンライン』で連載する「常識の源 流探訪」(10月10日付)からの引用です。
ノーベル物理学賞を日本人が受賞した際に書かれた回です。
本書の帯には、「ノーベル賞に最も近かった物理学者が、迫りくる死を前に伝えたか った」
とあります。
この7月10日に惜しまれつつ亡くなった戸塚洋二東大特別栄誉教授が、特に若い人たちへ
科学の面白さを伝えたいがために書いた文章をまとめました。
アインシュタイン、ガリレオから最新のニュートリノ、宇宙の暗黒物質、素粒子論
いま最もホットな最新物理学の醍醐味を、丁寧に解説します。