漢字は、神を祀り、神託をきく儀式から誕生した。爾来、甲骨文・金石文・印章・帛書・木簡・冊子本と多様な漢字の世界が展開していく。神の文字はどのような歴史を経て万人の物になったのか。写本の材料や形、本の作られ方、蔵われ方などに着目し、3500年の文字の歩みを、文化との絡みの中で、百数十点の貴重な図版を使って興味深く語る。