いたずら狐のごんは、兵十が川で捕った魚やウナギを逃してしまいます。しばらくして兵十の母親の葬列を見たごんは、そのとき逃がした魚やウナギは、兵十が病気の母親のためにとっていたのだと気づきます。
なんとかおわびをしたいと思う、ごん。けれど、ぬすんだ鰯を兵十の家になげこんで、かえって迷惑をかけてしまいます。ごんは心を入れ替え、自分の力で償いをはじめます。
けれど兵十は毎日届けられる栗や松茸の意味がわからず、神様のおかげだと思い込んでしまいます。
翌日、ごんが家に忍び込んだことに気づいた兵十は、またいたずらに来たのだと思いこみ銃口をむけます……。
「ごん、おまえだったのか。いつも、栗をくれたのは。」というラストは、涙なしには読めません。教科書でもおなじみの新美南吉の名作を、柿本幸造のやわかくあたたかい絵で絵本化。