言語、心、知覚、意味、数学など、ウィトゲンシュタインは、自らの終生を貫く哲学問題を、最後まで、どのように考え続けたのか。その深く、魅惑的な思考の肌ざわりを、最良の日本語で贈る圧巻の訳業!
「他人が痛みを感じている」ことは、果たして理解できるだろうか。もはや哲学史上の有名なテーマにまでなった「痛み」の問題。ウィトゲンシュタインの最後の思考とは? それでは、「他人が痛い振りをしている」ことは、理解できるだろうか?
ここには、すでに「他我問題」の深い陥穽がみえている。
あるいは、「ウサギ=アヒル頭」図。見方によっては、ウサギにもアヒルにも見える絵。では、「これはアヒルだ」と一瞬ひらめく現象とは、なんなのだろうか。ウィトゲンシュタインが「アスペクトの閃き」と表現するこの体験に関する考察から導かれる哲学とは?
さまざまに断片を積み重ねながら、思索を深めていく最晩年のウィトゲンシュタインを味わうため、詳細な訳注と用語解説を付して、読者をより深い理解へと誘う決定版!
まさに、珠玉の哲学が、ここにある!