日本企業はなぜ中国市場で間違えるのか? 中国企業は巨額の富を稼ぐのに、現場ではバックマージン、賄賂、アイデア盗用など、ありとあらゆる不正がまかり通る。中国人でありながら日本の広告代理店の社員として前線で10年間働いてきた著者が暴露する、中国ビジネスの闇。
中国に進出した日本企業30年の歴史は、ただ「喰われる」ばかりだった?
本書は、日本の某中堅広告代理店で上海万博プロジェクトの最前線に立った
中国人女性が、自らの遭遇したショッキングな体験談を綴ったものです。
リーマン・ショックを乗り越えて過剰な自信を持つようになった中国では、
ノコノコやってきた外資などただの「アイディアを盗む」対象でしかありません。
ならばと現地において信頼できるコネを作ろうとしても、
「私は有力者と知り合いである」と自称する詐欺師に騙されるばかり。
たとえ中国人であっても、この中国ビジネスの現場では大きな苦労を
強いられたのです。
しかし、やられっぱなしでいるわけにはいきません。
強引な契約解除にどう抵抗するか、踏み倒しを奨励する中国企業から
いかに債権を回収するか。
著者の張さんは深い幻滅を味わいながらも奮闘し、結果的には破綻した
ビジネスであっても、一定の結果を残すことができました。
これは、これまでの日本人が中国など海外に抱いていた思い込みに
基づいていては、決して実現できない結果でもあったでしょう。
本書は豊富な実例から、中国のみならず海外ビジネスに関わる人間にとって
欠かせない教訓と基礎知識を伝授します。
中国に対して溜飲を下げるばかりではなく、「ではどうするのか」という
処方箋まで提案する、唯一無二の「中国本」の登場です。