数学は現代を生きる人に欠かせない教養の一つ。その数学を理解する鍵となるのが、Σ、lim、dy/dx、∫ydxといった記号たち。こうした記号には、無限をどう扱うのか、空間をどう表現するのか、面積や体積をどう求めるのかといった数学の思想や原理が込められています。難解にみえる記号は、複雑で抽象的な問題を誰もが同じく扱えるように、作られたものなのです。数学の再入門に最適の一冊。
数学は現代を生きる人に欠かせない教養の一つ。その数学を理解する鍵となるのが、Σ、lim、dy/dx、∫ydxといった記号たち。こうした記号は、ライプニッツやケプラー、デカルト、ニュートンといった大数学者たちが、複雑で抽象的な問題を誰もが扱えるようにつくりだしたものばかりです。
たとえば、積分記号の∫。不思議なかたちをしていますが、これは“S”を上下をぐっと引っ張ったものです。積分の本質は面積の計算であり、そのためsum(和)の頭文字Sが用いられました。
記号を発明したのはライプニッツですが、ケプラーがワインの樽の容積を測定したのをきっかけに、さまざまな図形の面積計算を理論化したことが、積分法のはじまりだったといわれています。
このように記号は数学者たちの叡智の結晶といえるものであり、無限をどう扱うのか、空間をどう表現するのか、複雑な形の物の面積や体積をどう求めるのかといった数学の思想や原理が込められています。
記号の意味を理解し、自由に使えるようになれば、数学は誰にも楽しい実りを約束してくれるものです。そして、大学の数学にはこうしたエッセンスが凝縮されているのです。