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  • 著者武村政春
  • 出版社講談社
  • ISBN9784062579025
  • 発行2015年2月

巨大ウイルスと第4のドメイン / 生命進化論のパラダイムシフト

最近発見された「パンドラウイルス」という巨大ウイルスは、これまでのウイルスと姿が大きく異なっている。ひょっとしたら、これまでに全く知られていない新たな生命の形なのではないか。現在、生物の世界は3つのグループ(ドメイン)に分けられることになっているが、ウイルスはそれにあてはまらない。しかし、今後、新たな「第4のドメイン」が付け加わることになるかもしれない。生物とは何かを問いなおすミステリー。
 2013年7月、「超巨大ウイルス」に関する第1報が、科学誌『サイエンス』に掲載された。発見当初は「新しい生命の形」というニックネームが与えられていたというこの巨大ウイルスは、論文では「パンドラウイルス」という名が付けられていた。むろん、その名の由来はギリシア神話の「パンドラ」である。
 当初、このウイルスが「新しい生命の形」と名付けられたのには理由があった。その姿が、それまでのウイルスとは大きく異なっていたからだ。かといって、これを生物とみなすにはあまりにもウイルス的であった。ウイルスでもない。生物でもない。だとしたら、これまでに全く知られていない新たな生命の形なのではないか。そもそも、「生物」とはいったい何なのだろうか?
 現在、生物の世界は3つのグループ(ドメイン)に分けられることになっているが、ウイルスはそれにあてはまらない。しかしもしかしたら、新たな「第4のドメイン」が付け加わることになるかもしれない。そんな議論が巻き起ころうとしている。
 巨大ウイルスには、パンドラウイルスのほか、ミミウイルス、ママウイルス、メガウイルス、ピトウイルスなどが発見されている。本書は、そんなウイルスたちと、彼らにまつわる生物たちの話である。

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