天武・持統期に成立した古代日本は"内なる"伊勢と"外なる"出雲の二極構造に依って立つ王権であった。出雲の龍蛇信仰の強力な「霊力」を外部から伊勢へ付与することによって、超越祭祀王としての天皇が誕生したのだ。"朝日と夕日"・"太陽と蛇"・"現世と他界"-二重構造のダイナミクスから伊勢・出雲神話を読み直し通説を塗り替える、民俗学と歴史学を融合させた新たな古代史学の誕生。