感動の江戸川乱歩賞受賞作が待望の文庫化! 極限の凍土、シベリア捕虜収容所で起きた中尉斬首事件。60年の沈黙を自らに強いた男が突如、姿を消した。歴史の闇に光を当てた、魂を揺さぶる渾身の一作。
第52回江戸川乱歩賞受賞作!
男は帰還(ダモイ)を果たし、すべてを知った。
自費出版に持ち込まれた原稿が60年前のシベリアと現代の事件を結ぶ。
舞鶴でロシア人女性の遺体が発見された。時を同じくして抑留体験者の高津も姿を消す。2つの事件に関わりはあるのか。当時のことを綴った高津の句集が事件をつなぐ手がかりとなる。60年前極寒の地で何が起こったのか? 風化しても消せない歴史の記憶が、日本人の魂を揺さぶる。
※本書は2006年8月、小社より単行本として刊行されました。