すべては、子どもたちのために…。
国連で制定された「子どもの権利条約」の父、ヤヌシュ・コルチャックの生涯をつづった絵本です。彼の子どもたちへの深い愛情と信念が伝わってくる、真実の物語。
・担当者のうちあけ話
この本の原本を見たのは、去年のことです。その時は、「コルチャック先生」についてほとんど知らなかったのですが、絵本に登場する子どもたちの表情や、哀しげで、それでいて安心感のある絵に惹き込まれ、ぜひこの絵本を日本でも出したい! と思いました。そして、子どもたちのためにすべてを捧げながらも、子どもたちと一緒に過ごす日々を何より楽しみに、何より幸せに思っていたであろうコルチャック先生の生涯を知るにつれて、この絵本を日本で刊行しなければならない、という使命感にも似た思いが湧くようになりました。翻訳をお願いした柳田邦男さんは、お忙しい合間をぬって、本当に素晴らしい訳をつけてくださいました。柳田さんのあとがきでも書かれていますが、近年、子どもたちをめぐる悲惨な事件が多くなる中、自分の子どもではない孤児たちを愛し、いのちをかけて守り続けたコルチャック先生の生きかたは、本当に考えさせられることが多いと思います。子どもたちはもちろん、お子さんがいらっしゃる方、子どもの教育に携わる方全てに読んでいただきたい一冊です。
【対象年齢:小学校中学年~一般】