<後編>
昭和十一年の東京にタイムスリップしてしまった孝史が身をよせる蒲生邸の主人、蒲生大将が何者かに殺されてしまった。
一方、蒲生邸で住み込みで働く少女、ふきに好意をもつようになった孝史は、いっしょに現代の東京へ帰ろうと誘う。
恐ろしい戦争がくる。空襲がある。食糧だってなくなる--。
それをきいた、ふきの決断は?
蒲生大将を殺したのはだれか?
そして、タイムトラベラーであることとは、なんなのか。
歴史の中で、自分の時代を誠実に生きぬこうとする人々の姿に、あなたも、「今」を生きる勇気がわいてくる!
<好評既刊 前編>
浪人生の孝史は、受験のため泊まったホテルが火災にあい、タイムトラベラーを自称する男に助けられた。
二人が助かるためにタイムスリップした先は、昭和11年2月25日、つまり、あの有名な「二・二六事件」の前夜の帝都、東京。
そして、二人が降り立った前庭は、二・二六事件後自殺したという蒲生将軍の屋敷のものだった。
あまり歴史に知識のない孝史はとまどいながらも、その時代の者として、蒲生邸で暮らすことになる。
あたりまえだが、そこでは、生身の人間が、まどい、笑い、悲しみ、働き、日々の生活を送っていた。
孝史を助けた男はほんとうにタイムトラベラーなのか?
蒲生大将を殺したのはだれなのか?
大きなスケールで描く歴史SFミステリー、前編。
<総ルビ 小学上級から 小・中学生向けに一部改稿>