継母に幽閉されて育った与一郎は、ある晩、狐の面をつけた男に救い出される。匿われた先は、大正の帝都で盗人たちを取り仕切る屋敷だった。弱りきった与一郎の面倒を甲斐甲斐しく見てくれる藤吉。彼もまた、神業と賞される掏摸の名手だ。ふたりは惹かれ合うが、そこには非情な運命が待ち受けていた-。匂い立つ大正浪漫の中で繰り広げられる、壮絶な愛憎劇。待望の新シリーズ、いよいよ開幕。