現代アメリカで中国研究を代表する社会学者、エズラ・F・ヴォーゲルは、10年をかけて『トウ小平』を書いた。『トウ小平』は関連資料をくまなく踏査し、歴史を拓いた指導者の実像に迫っている。しかし、ボリュームが大きく、値段が高く、専門的である。そこで、ヴォーゲルのトウ小平研究の核心を、わかりやすく伝える「普及版」が必要であると考えた橋爪大三郎が、実際にヴォーゲルにインタビューしてまとめたのが本書である。
「トウ小平は、二〇世紀後半から二一世紀にかけての世界史にとって、もっとも重要な人物だ」――橋爪大三郎
「いま中国は相当強くなった。一〇年か二〇年で、GDPは世界のトップになるだろう。これがどうして可能になったかというと、トウ小平の開いた道なわけです。あれほど経験があって、権威があって、あらゆる面の実力を兼ねそなえている人は、いない」
「このインタヴューは短いけれど、トウ小平の生涯と業績の大事なポイントをすべて盛り込むものになった」――ヴォーゲル
現代アメリカで中国研究を代表する社会学者、エズラ・F・ヴォーゲルは、10年の歳月をかけて『トウ小平』を書いた。英語版が2011年、中国語版が2012年、日本語版が2013年に出されたが、中国語版はわずか半年で60万部を上回るベストセラーとなった。
『トウ小平』は関連資料をくまなく踏査し、膨大で周到なインタヴューを経て、歴史に生き、歴史を拓いたひとりの指導者の実像に迫っている。しかし、ボリュームが大きく、値段が高く、専門的である。ここから有益な情報をえられるはずの一般読者には届きにくい。
そこで、ヴォーゲルのトウ小平研究の核心を、わかりやすく伝える「普及版」が必要であると考えた橋爪大三郎が、実際にヴォーゲルにインタビューし、誰にでも読みやすくまとめたのが本書である。
これを読まずして、現代中国は語れない。
【エズラ・F・ヴォーゲル】
ハーバード大学ヘンリー・フォードII世社会科学名誉教授。1958年にハーバード大学にて博士号(社会学)を取得後、日本語と日本の家族関係の研究のために来日し、2年間滞在。79年に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を発表し、ベストセラーとなる。10年以上を費やした『現代中国の父 トウ小平(上・下)』(日本経済新聞出版社)は、 現在まで中国・香港・台湾の累計で100万部以上を売り上げている。
【橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう)】
1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京工業大学名誉教授。著書に『はじめての構造主義』『はじめての言語ゲーム』、共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(いずれも講談社現代新書)などがある。