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  • 著者橘川武郎
  • 出版社講談社
  • ISBN9784062881456
  • 発行2012年2月

電力改革 / エネルギー政策の歴史的大転換

エネルギー産業史研究の第一人者が、福島第一原発事故後の現実を踏まえながら、総合性に富んだ「これからのエネルギー政策」の最適解を提案。
日本は電力の約3割を原子力に依存してきた。原子力発電を今後どのようにすべきなのかは、長年論議が繰り返されてきた、そしてフクシマ事故が起きた。
エネルギー問題は、政府の総合資源エネルギー調査会などでも、需要の伸張に応じていかに供給するかという量的充足の視点でのみ論じられてきた。しかしエネルギーの選択は、どのような社会設計をするかという論点でもある。
著者は再生可能エネルギーの技術革新の推進を提言。
世界の発電の主流を占めるのは石炭火力であり、その状況は当面変化しない。日本の石炭火力の熱効率は世界最高水準であり、その技術を国際移転すれば、すぐにでもCO2排出量を大幅に削減できる、など地球温暖化対策にも具体的に提言。
今後の展望と現実の問題点を明らかにしつつ、エネルギー政策を再構築する。「原発反対派」か「原発推進派」かという不毛な対立を乗り越えて、原発問題を日本に問う。
著者の橘川氏は原発は「必要悪」ととらえている。そうした認識に基づき、最悪のシナリオ「東日本大震災→東京電力・福島第一原子力発電所の事故→定期検査中の原発のドミノ倒し的運転中止→電力供給の不安の高まり→高負荷価値工場の海外移転→産業空洞化による日本経済沈没」を避けるため、提言は示唆に富んでいる。

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