この物語の舞台は1969年から1972年にかけての日本。ベトナム戦争や公害問題など高度成長の歪みを背景に、当たり前のように学生運動に参加していった普通の若者たちが、やがて矛盾に満ちた国家体制を打倒するという革命運動に身を投じていく様と、その行き着く先をクールに描き出す、若き革命家たちの青春群像劇である。
革命のため武力を手にした若者達。彼らは新たなる拠点に『山』を選んだ。同じ目的のために集まったはずだった……。しかし、そこでは少しずつ歯車が狂い始めていく。社会とは隔絶された場所で、男と女が夢見る革命の光。その光は彼らに届くのか――。