世界人口の約半数が住むといわれる都市の胃袋は大規模農業と膨大な流通網によって成り立っています。書籍『シティ・ファーマー』によれば、英国の主要都市では食料備蓄が3日でなくなるというデータも示されています。東京でも、大雪や地震などでスーパーの食料棚が空っぽになった記憶を持つ方も多いのではないでしょうか。これひとつをとっても、都市における食料自給は大事な問題だと気付かされます。
一方で、そんなに難しい話ではなく、日々の楽しみとして都市農園の可能性は広がりつつあります。銀座のビルの屋上で行われる養蜂や、渋谷のライブハウスの屋上で営まれる畑、企業が主導する気軽に始められる「シェア畑」の試みなどは、自分の手で自分の食べ物を得るという根源的な歓びに根ざしたものです。
今号のPERFECT DAYではこうした取り組みを紹介し、URBAN NATURALISTであるみなさんが、都市にいながら手軽に農に触れるきっかけになれるよう構成します。たったひと鉢からでも「都市農園」は始められるのです。