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  • 著者井沢元彦
  • 出版社小学館
  • ISBN9784093798433
  • 発行2013年4月

逆説の日本史 19(幕末年代史編 2)

激情の幕末史全真相
血で血を洗うことになる幕末混乱の始まりは、幕府老中の判断ミスに端を発した――。
アメリカから要求された日米友好通商条約の調印に断固反対した御三家水戸藩主・徳川斉昭。老中堀田正睦は自ら斉昭を説得する労を厭い、朝廷の勅許を得ることによって斉昭を納得させようと画策した。この安易な判断が幕府崩壊のきっかけとなる。
幕府が容易に出るものと考えていた勅許は孝明天皇の反対で出ることはなく、幕府はやむを得ず勅許を得ないままアメリカと条約を交わすことになる。
幕府の対応に噴出する不満は、一橋派と南紀派で激しく争った将軍継嗣問題の対立を引きずったまま過熱化する。
対立の火種に着火させたのは、孝明天皇が水戸藩に発した「戊午の密勅」。密勅の黒幕は「水戸の斉昭」と誤解した大老井伊直弼の怒りは「安政の大獄」という大粛清に発展。多数の有為な人材が死に追い込まれる。
粛清の報復が行なわれたのは桜田門外。一発の銃弾が大老の命を奪う。相次ぐ流血で幕府の権威は失墜。時代の潮目は「反幕」に傾いていく――。
激しい権力闘争の前にもはや、「開国」が正しい政策か否か顧みられることがなくなった亡国寸前の時代を抉る。

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