アメラジアンとは、アメリカ国籍を持つ親とアジア諸国に国籍を持つ親との間に生まれた、すべての人々を総称する言葉である。これまでに、世界中の多くのアメラジアンたちが、人種・国籍上のアイデンティティ形成という問題をめぐって、大きな困難に直面してきた。アメラジアン問題は、米軍が駐留するアジア各国で不可避に発生する、アメリカ軍事戦略の巨大な影ともいえる。本書は、今まであまり注目されることのなかった世界的規模のマイノリティ問題に一般書で初めて光を当てた画期的著作であるとともに、アジア各国や日本、そして沖縄のフィールドワークを通じて、自らもアメラジアンである著者自身が、その問題に立ち向かっていく、感動的な内面の旅の記録でもある。