4歳で視力を失った著者は、「この日を境に私は生まれ変わることを余儀なくされた」という。見えなくなったことを理解できず、方向感覚のないまま走り回って生傷がたえなかった少女時代のトラウマ。成長にともなう人生への不安のなか、心のカギを開けたのは野鳥だった-。夜明け、空の高さ、大自然の景色を聞くことまで…。さえずりによって広がった感性の世界を綴るヒーリングエッセイ。第2回NHK学園「自分史文学賞」大賞受賞。