妾奉公の旦那に死なれ、わずかな手切れ金で縁を切られたお浪は、生活に困窮した家族を救うため、生まれたばかりの娘を里子に出し、洲崎の遊廓に身を売ったが…。明治末の東京を舞台に、薄幸の美女の懸命に生きる日々を、情緒豊かに描く名編。