彼は、1932年1月、私の人生にはいってきて、それからは一度も立ち去ることはなかった。あのときから四半世紀あまりが過ぎた。そのひとのためには喜んで生命さえも投げだしていいと思う少年の日の友情。第二次大戦前の暗い雰囲気を背景に、貴族の美少年とユダヤ人医師の息子の友情と別れと悲劇的な「再会」を描く必読の青春の書。