武士道の聖典ともいわれてきた『葉隠』には、なぜか「殉死」の語はなく、すべて「追腹」であり、「武士」の語の多くが「奉公人」に変えられている。また『葉隠』の存在は、実は江戸時代を通じて秘せられてきた…。山本常朝の生い立ちと思想を深く読み込むことによってこれらの謎を解き、さらに、通説を大胆に問い直した著者会心の力作。