本書は、1958年に京都大学生物誌研究会と日本民族協会の後援のもとに行なわれた探険の記録である。ヒマラヤで最も山奥のドーラギリ峰北方高原に今も残る奇習"鳥葬"や、とりわけ未開といわれたこの地域のチベット人の日常生活及び個性豊かな探険隊員の内幕、また異民族の中の人間関係の調整などが克明に綴られている。秘境ヒマラヤへの旅を結晶化させた人間味溢れる不滅のフィールド踏査の書。