震災後、東京の下町繁華街に正面を銅板やタイルで飾った、木造2、3階建ての商店建築の一群が生まれた。それは蔵造、塗屋造、出桁造の江戸東京の商店の町並みのなかへ忽然と出現した、モダン東京の一風景であった。この下町商人の粋とミエの建築群は再開発の波のなかでいまや風前の燈。今だから伝えられる決定版。