浅草扇子屋が語る中村勘三郎との交友40年
2015年4月1日、3年ぶりに「平成中村座」が浅草に帰ってくる!
三回忌を迎えた故・十八代目中村勘三郎丈の「江戸時代の芝居小屋を浅草に復活する」という夢を支え、実現までともにかけぬけた著者との40年に渡る心温まる交友禄。ファン垂涎の初出写真も多数掲載、浅草の名跡も紹介され観光にも役立つ本だ。
著者の荒井修氏は、老舗扇子店「文扇堂」四代目当主にして歌舞伎役者や落語家に多くの贔屓をもつ扇子職人。勘三郎丈本葬の朝、遺骨は勘九郎・七之助兄弟に抱かれ浅草・隅田公園にて盛大な仲見世御輿(みこし)に見送られた。その陣頭指揮をとっていたのが荒井氏その人だ。
この最期の別れの朝をプロローグに、二人の出会いにさかのぼり、江戸時代にあった芝居小屋を浅草に再現し大成功をおさめた「平成中村座」の軌跡を綴る。十二代目市川團十郎丈、十代目坂東三津五郎丈など、亡き名優とのエピソードも満載。
まるで江戸歌舞伎の歴史のページをめくるかのような感覚で、読み終えると勘三郎丈の芝居にかける情熱、それを支える浅草の人たちの人情が、心にしみわたる感動の一冊。
【編集担当からのおすすめ情報】
表紙の絵は著者・荒井修さんが描いた勘三郎丈の眼。
好江夫人からの依頼で、三回忌の記念品として特別に扇子に仕立てられたものです。
また掲載した写真の多くは、地元浅草のみなさんが撮影し提供してくださったもの。
歌舞伎への愛と江戸文化の粋がギュッとつまった「宝物」のような本が出来上がりました。