多くの作家をも魅了した著者の最高到達点!
直木賞受賞後の会見で、著者は「勝手な想像ですが」と前置きした上で、
「『鳩の撃退法』の存在がなければ、今回の直木賞受賞は考えられない。あれで機運が熟したのではないか」
と語った。
事実、本作は、山田風太郎賞選考委員はもちろんのこと、推薦文や書評、口コミやSNS等を通じて、驚くほど多くの作家たちから激賞された。
下巻は、「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰・糸井重里さんの解説を収録。
【ストーリー】
「このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。だけど厳密にやばいのはあんただよ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ」
身を潜めてせっせと小説の下書きをつづけていた津田伸一は、社長からいきなり退職金を手渡され、いよいよ決断を迫られる。
ついに“あのひと”が現れたのか?
鞄の大金は裏社会から流れてきたものなのか?
忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、疑惑つきの大金、そして鳩の行方‥‥。多くのひとの運命を狂わせたあの日の邂逅が、たった一日の物語となって雪の夜に浮かびあがる。
読み進めると、謎が深まる。読み返せば、伏線がわかってくる。
上巻だけでは、この小説のおもしろさは半分も伝わりません。
急展開も待ち受ける下巻の最後の1行まで、ぜひ「鳩」の行方を見届けてください。読み返すほど、おもしろいはずです。